- A4変 120ページ (判型/ページ数)
- 2020年06月発行
- 978-4-8180-2227-0
本体価格(税抜): ¥1,600
訪問看護は、その事業を通じて自身の思い描く理想の看護を追求することのできる仕事です。訪問看護ステーションの経営者・管理者は、そうした理想の実現のために日々、努力されていると思います。一方で、理想を実現するには、法人の存続が大前提となります。法人の存続には、売上を上げ、利益を確保し、不況や不測の事態にも負けない財務体質をつくる必要があります。つまり、安定経営の継続が欠かせません。
筆者は以前、看護師として病院に勤務していました。その後、縁があって経営や会計について学び、現在は公認会計士・税理士として訪問看護ステーションの経営支援をしています。
看護師として働いていた当時は、経営のことなどまるでわかっていませんでした。一般的に、看護学校では経営に関する勉強はしませんし、病院などでも学ぶ機会はほとんどありません。こうした自身の経験や公認会計・税理士としての仕事をとおして、看護師をはじめとする多くの医療職が経営や数字に強い苦手意識を持っていることはよく理解しているつもりです。
本誌は『コミュニティケア』の連載「訪問看護ステーションの経営戦略」を元に、加筆・修正したものです。経営について一から学ぶ読者を想定し、実践的な経営判断を主体的に行えるようになることを目標としました。また、経営を考える上で数字を読み解くことは大変重要であるため、できるだけイメージしやすいよう具体的な数値や表、例を用いるとともに、丁寧な解説を加え、読者の数字への苦手意識を減らせるよう工夫しました。
本書が皆さまの数字への苦手意識の解消と安定経営実現のためのヒントとなれば幸いです。