- リリアン・ウォルド 著 阿部里美 訳
- A5 340ページ (判型/ページ数)
- 2004年08月発行
- 978-4-8180-1086-4
本体価格(税抜): ¥2,356
経済的にも社会的にも目ざましい発展を遂げつつあった19世紀末のアメリカ。そのアメリカを新世界とし、より豊かな生活を夢見てヨーロッパから流れてきた移民たちの住み着いた先が、ニューヨークのイースト・サイドだった。看護師であり医学生でもあったリリアン・ウォルドは、その一角にあるヘンリー通りに、1895年、世界で初めての看護師セツルメントを開設。その後1933年に施設長を退くまで一貫して、ヘンリー・ストリート・セツルメントを拠点に公衆衛生看護・地域看護を実践し、市や国の政治にも働きかけて普及と啓蒙に努めた。
本編はリリアン・ウォルド自身がその半生をつづったもので、名もない地域住人たち、社会や国を動かす運動家、政治家たちとの生き生きとしたエピソードに満ちており、公衆衛生看護および地域看護の原点を知ることができる。
1915年に雑誌に連載されていた原稿を元に書籍化、歴史的意義を新たに標すものとして91年に改訂版が出版された。本書は91年版の全訳である。