- A4変 80ページ (判型/ページ数)
- 2013年08月発行
- 978-4-8180-1709-2
本体価格(税抜): ¥1,100
厚生労働省は、2012年3月に「介護施設における介護サービスに関連する事故防止体制の整備に関する調査研究事業報告書」を公表しました。ここで課題として指摘されたのは、安全予防対策が進んでいない施設の体制整備と、要介護度が高い入居者や認知症の重い入居者への対応です。この報告書を受けて、2013年3月には「特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン」が改訂されました。
「総論」では、ガイドライン改訂の経緯や、これからの特養に求められる事故予防対策について、ガイドライン作成にかかわってきた鳥海房枝氏に述べていただきます。そして、事故予防対策に積極的に取り組む特養からは、委員会や報告システム等の体制、要介護度が高い入居者や認知症の重い入居者への具体的な対応方法をご報告いただきます。
事故予防対策は、それぞれの施設の状況に合わせてつくりあげていく必要があります。今回、ご報告をいただくのは、いずれも事故予防に長年取り組んでこられ、その施設に合った体制整備・マニュアルづくりを行ってきた特養です。これから事故予防対策の強化・見直しを行う皆さまには、ぜひ、ここに示された実践例を参考にして取り組んでいただければと思います。
特集2:
訪問看護師が考えたい!
在宅での“倫理”
訪問看護師は利用者宅を1人で訪れるため、対応上の判断に迷うことがあります。さらに他職種や行政がかかわる在宅ケアの現場では、倫理的問題について考え方の違いが生じることもあるでしょう。このような場合でも、訪問看護師1人ひとりが“倫理の軸”をしっかり持っていれば、適切に判断・行動することが可能になります。
元・日本看護協会常任理事の杉谷藤子氏が代表を務める「医療人権を考える会」は、看護倫理にかかわる調査・研究を行っています。2012年、同会は訪問看護における倫理的問題を考えるために事例収集をスタート。それらを基に作成された訪問看護師がとるべきモデルとなる行動を示した事例を、9月号から始まる連載「事例で学ぼう! 訪問看護での倫理」に掲載します。
本特集では、同会のメンバーなどへの「グループインタビュー」、その取り組みを取材した「レポート」で、事例検討がどのように進んだかを紹介。さらに、ホスピスケア研究会理事の季羽倭文子氏、日本訪問看護財団常務理事の佐藤美穂子氏に「連載への期待」を述べていただき、訪問看護師が“倫理”を学ぶ意義をあらためて考えます。