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キャリアストーリーをポートフォリオで実現する

  • 鈴木敏恵
  • A5 120ページ (判型/ページ数)
  • 2014年04月発行
  • 978-4-8180-1841-9
本体価格(税抜): ¥1,800
定価(税込): ¥1,980
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入れっぱなしポートフォリオになっていませんか?

ポートフォリオの目的は、「保存」ではなく「活用」。自分の成長のために徹底活用するためには、ポートフォリオの機能をおさえて、リフレクションとリフレーミングによるセルフコーチングをつかいこなすこと。就職、転職、異動、復職のさまざまシーンでポートフォリオを活用して、自分だけのキャリアストーリーを実現しよう。


序 章 キャリアストーリーを生きるために

第1章 キャリアストーリーに活かすポートフォリオの8つの機能
   1. ポートフォリオの基本
   2. 8つの機能を理解する

第2章 ポートフォリオの機能を引き出すセルフコーチング――リフレクションとリフレーミング
   1. セルフコーチングを身につける
   2. 2つのコーチング手法 リフレクションとリフレーミング

第3章 4つのキャリアシーンとポートフォリオの活用
   1. 4つのキャリアシーンとは?
   2. 一段一段のシーン 目標を目指して1歩ずつ上っていく
   3. 挑戦のシーン 自分の意思で新たなステージに挑む
   4. 選択のシーン 分岐点に立って決断する
   5. 復帰のシーン 休止期間をポジティブに活かす

さあ始めよう キャリアポートフォリオ実践シート集
※PDF版をこちらからダウンロードできます。


はじめに


キャリアとは“大切な何か”を未来へ運ぶこと
キャリアということばに、あなたはどんなイメージを抱きますか。かつて私はこのことばになんとなく抵抗がありました。それは、みんなが似たようなスーツに身を包み、型にはまった採用面接に向かう没個性的なイメージをもっていたからです。今は違います。キャリアということばに、誇りある人生を自分の足で凛々しく歩む人の姿が浮かびます。

キャリアの語源は、ラテン語の“carraria”、馬車などの轍。馬車を降りて来た道をふりかえれば一筋の軌跡がみえるように、自分がたどってきたさまざまな経験やシーンはバラバラに存在しているようでいて、実は自分の意志という一本の糸で貫かれていると気づきます。過去から現在まで続けてきた仕事や経験がキャリアなのだと、今の私はとらえています。“続けてきた”ということは、大切にしてきた何かがあったからでしょう。つよい思いも、生きることへの誠実さも、そこにあるように思います。
キャリアとは、過去から現在そして未来へと、大事な何かを自分の内に静かに運ぶことではないでしょうか。世界でただひとつの、その人だけの「キャリアストーリー」がそこに燦然と輝いています。


ストーリーで語り、ストーリーで聴く
ストーリーには主人公がいます。ストーリーには過去、現在、未来の時が流れています。主人公は何かをみたり、聞いたり、どこかへ出かけたり、わくわくして夢中で駆け出したりします。いろいろな出会いをし、経験を重ね、壁にぶつかって悩み、壁を越えて達成感を感じ、また次をめざして成長していきます。
人生という旅を生きるキャリアストーリーの主人公は、あなた自身です。その物語を紡ぐのも、あなたです。その旅には、決まったコースもルールもありません。どの道を通っても、めざすところへ行けます。めざす“そこ”は、みんなに共通する到達点ではなく、「あの方向へ行くんだ」という自分の意志に根ざしたベクトルを意味します。誰かと先を競うこともありません。行き先もペースも、一人ひとりすてきなほどユニークで異なっているのです。

私たちは夢や願いを胸に抱いて人生という旅へ出ます。夢をかなえるために、同じ夢やビジョンをもつ人や、それをかなえる場所を求めて、自分が大切にしている何かをストーリーにして語ります。語るだけではなく、ていねいに聴くときもあります。大切にしたい人に出会ったとき、それは恋人や自分が守りたい人や家族や子どもたちかもしれませんが、その人の語ることや見せてくれるものを、断片ではなく、大きなストーリーを形づくる大事な要素として静かに耳を傾けるのです。ストーリーで語り、ストーリーで聴くことを繰り返して、私たちは日々を紡ぎ、人生の旅を続けます。


夢はやすやすとかなわない
自分らしいキャリアストーリーを描き、それを実現したいという願いをかなえてくれるのが、ポートフォリオです。ポートフォリオは、建築家やデザイナーがもっている作品集です。私もデザイナーとして、自分のポートフォリオをもっています。自分の願いをかなえるために、ポートフォリオを活かしてきました。私のポートフォリオの最初のページには、「これを大切に、未来によいものをつくり出す」という手書きの文字が花びらのようにデザインされて入っています。その目標を実現したくて、仕事を続けてきました。何かをすれば何かが生まれ、何かを経験すれば何かを得ます。それをポートフォリオのなかにていねいにすくいとりながら、キャリアを紡いできました。
「キャリアを紡ぐ」ということばにはロマンチックな響きがあります。けれど、私の描くキャリアストーリーはシビアな現実のなかにあり、そうやすやすと願いはかないません。こうでありたいという願いと、自分がもっている能力や知識という現実のあいだには大きなギャップがあって、途方に暮れて肩を落とすこともありました。かっこよく振る舞いたいのに、自分の慢心のせいでプライドが傷つくこともありました。自分のポートフォリオをあらためてめくってみると、達成感というものはそう簡単に味わえないことがよくわかります。けれど、自分に誇りを感じます。なぜなら、ポートフォリオをみれば、懸命に歩いてきた自分がたしかにいる、からです。

今日まで私は、ポートフォリオに何かを入れ、ページをめくり、自分がやってきたことを語り、夢をかなえてきました。うまくいったことも、いっこうに前に進まなかったことも、私は自分のことばで語ることができます。私の夢をかなえてくれたのは、学歴でも人脈でもなく、自分がこれまでやってきたことがぎっしり入っている私のポートフォリオなのです。
自分の可能性を社会に知ってもらうのに、紙一枚の経歴書より、ポートフォリオははるかに私の力になってくれました。あなたも就職活動でエントリーシートを書くときやチャンスにつながる面接の場面にポートフォリオをつかうと、きっとよい結果に結びつくでしょう。


さあ、キャリアポートフォリオで未来を描こう
ポートフォリオを自分の人生のそばにおいて20年以上が経ちました。最近になってあらためて実感したことがあります。ポートフォリオは自分の成長への意欲をかき立ててくれること、そして人生に意味を与えてくれることです。
自分がやったことや経験を自分のことばにして語ることの大切さを実感しています。ポートフォリオをめくりながら、ことばにしてプロセスをストーリーとして語るとき、「これがあったから、次にこれができたんだな」と実感し、これからもしっかり現実に向き合っていこうという力が湧きます。
キャリアをデザインする、キャリアアップする、とは、スマートなキャリアコースを行くことでも、輝かしいキャリアや社会的なポジションの上昇を意味するのでもなく、自分がもってうまれたよさを活かし、自分の描いた未来の方向へ向かって自分で成長していくことを意味するのです。

人生は一人ひとり見事に違います。一人ひとりの夢をかなえるキャリアストーリーには正解もモデルもありません。そこで力になるのは、自分の身近にあって、自分の考えたことや行動したこと、経験したことや気づいたことが入っている自分のポートフォリオです。成長するためには、もって生まれた自分の資質を自覚し、自分の思考や行動や感情をつねに客観的にみることが必要です。ポートフォリオはここに存在の意義があります。

さあ、あなたもポートフォリオづくりをスタートさせ、世界でひとつのあなただけのキャリアストーリーを描き、人生という旅に出かけてみてください。
自分の人生にいかに意味を見出せるかが旅の最大の収穫なのものかもしれないと考えるようになった私から、これから旅に出ようとするあなたへ、この本が旅立ちのささやかなプレゼントになれば幸いです。

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