- A4変 80ページ (判型/ページ数)
- 2014年08月発行
- 978-4-8180-1809-9
本体価格(税抜): ¥1,200
利用者の多くに認知症または認知機能の低下が見られ、訪問看護師は日々の訪問の中で工夫しながらケアをしています。しかし、認知症はそのステージによって症状は異なり、自宅で暮らし続けるために必要なケアも異なります。そのため、日本訪問看護財団では平成25年度厚生労働省老人保健健康増進等事業として「在宅認知症者のステージごとの生活障害と行動・心理症状に応じたケアガイドの開発」を行いました。
「総論」では、同研究から明らかになった在宅における認知症ケアの実態や、ステージごとの適切な認知症ケアのあり方について、研究代表者である諏訪さゆりさん(千葉大学大学院教授)が説明します。
「解説」では、熊谷賴佳さん(京浜病院院長)が在宅の場で認知症のステージをどのように判断していけばよいのかを解説し、さらに医師の立場から訪問看護師が行う認知症ケアへの期待について述べます。
「報告」では、老人看護専門看護師・在宅看護専門看護師・認知症看護認定看護師という老年看護や認知症看護のエキスパートたちが、さまざまなステージの認知症の利用者に対する訪問看護の事例から、適切なアセスメントや支援のあり方を示します。
認知症の人の最も身近にいる医療者としての訪問看護師の役割を再確認し、明日からのケアに生かしていただければと思います。
特集2:
施設の“看護の質”を向上させる
「特養の看護リーダー」への期待
2005年度から毎年開催されている「これからの特別養護老人ホームにおける看護リーダー養成研修―尊厳ある生活を支えるケアのために―」[*1]。同研修は、厚生労働省の「身体拘束廃止推進事業」として始まり、現在は「認知症対策等総合支援事業」の「高齢者権利擁護等推進事業」の一環として行われています。研修修了者数は2005年度から数えて1,100人を超えました。
第2特集では、厚生労働省老健局高齢者支援課の西村緑さんによる提言、同研修の第1回目から講師を務める田中涼子さんによる解説に続き、2010〜2014年度の修了者4人に、現在行っている施設内外の活動や今後の抱負等について報告していただきます[*2]。
それぞれの施設・地域で「看護職は何ができるのか?」「何をすべきなのか?」と、日々、自らに問いかけながら、真摯に看護の質向上をめざす修了者の報告から、あらためて「特養における看護職の役割」について考えます。
*1:第2特集では、「看護リーダー養成研修」と表記させていただきます。
*2:2005〜2009年度の修了者の報告を含めた本誌2010年4月号第2特集「特養看護リーダー養成研修その5年間を振り返る」もご参照ください。