はじめに
序 章 初めてリーダーになるあなたに
1 その日が,いよいよやってきます
(1)自信と不安
(2)本書のねらい
(3)「整理」をすると見えてくる
(4)管理者とリーダーの区別はしない
2 リーダーの任に就くにあたっての考え方と着眼点の切り替え
(1)「考え方」を切り替える――自分を追い込まない
(2)着眼点を切り替える――見えるものが変わる
3 職場とはどのようなところか
(1)成果を意識して仕事をやり遂げ,業績を上げるところ
(2)互いの能力を育むところ
(3)情動を出し合い,受け止め合うところ
(4)コミュニケーションとは,これらを実現するための手段
(5)「壁」や「溝」を越えるコミュニケーション
■ コラム 看護部長の視点と視野:看護管理者(リーダー)として心がけたいこと
第1章 マネジメントは組織にとってかけがえのないもの
1 マネジメントは組織にとってかけがえのないもの
(1)グループマネジメントについて
(2)職場集団と呼ばれるための条件
(3)グループマネジメントをしっかり実践するために
2 組織が業績を上げ,成長できるための4つの条件
(1)優れた医療や看護サービスを継続的に提供できること
(2)経営課題が明確にされ,適切な経営戦略がとられること
(3)機能的な組織編成と各種制度が効果的に運用されていること
(4)個々のメンバーとチームが意欲と能力を発揮できていること
3 マネジメントについての基礎知識
(1)組織の誕生と成長
(2)組織目標を達成するための「分業」の取り入れ
(3)組織の効果的な運営とそれを脅かす分業の副作用
(4)リーダーはマネジメントの実践者
(5)リーダーが果たすべき3つの基本的な役割
(6)4つ目の新しい役割――変革と創造
4 マネジメントと管理職
(1)誤解から解放されよう
(2)誰もが管理者やリーダーに就けるわけではない
● マネジメントトピックス:リーダーシップとマネジメント(リーダーとマネジャー)
■ コラム 看護部長の視点と視野:看護部マネジメントにおいて大切にしていたこと
第2章 自分の基軸をつくる
1 職場を構成しているもの
(1)課題や目標,リーダー,そしてメンバー
(2)職場の枠を広げてとらえる
2 職場完結では済まない――院内連携と地域連携が必須に
(1)院内での連携
(2)院外や地域との連携
(3)問われている視野の拡張と「役割の再定義」
3 リーダーが自分に問うべき2つのこと
(1)リーダーとしてどうあるべきか
(2)リーダーとして何をなすか
4 マネジメントのための「基軸」について
(1)リーダーの「基軸」――パブリックな柱とパーソナルな柱
(2)「基軸づくり」について
5 何についても「意識化」→「言語化」→「明文化」をする
6 「基軸」が必要とされる理由
(1)リーダーは迷い,悩み,不安になる――立ち返る拠り所として
(2)「目標設定面談」と「評価面談」に臨む際の拠り所として
(3)会議やミーティングを取り仕切るための拠り所として
7 新任リーダーの影響力は何から生まれるのか
(1)影響力の源泉は周りから寄せられるクレジット
(2)クレジットは追ってついてくる
■ コラム 看護管理者の体験から:新任管理者として意識化した課題と役割
第3章 成果を意識して仕事をやり遂げ,業績を上げるために(1)<目標設定の意義と効果>
1 成果や業績を上げるために
(1)業績の意味
(2)業績の指標について
2 成果と業績を意識した職場全体の「目標」(Plan)の設定
(1)職場全体目標の設定
(2)新任リーダーが行うこと
3 職場全体目標とチームビルディング
(1)職場(チーム)の「まとまり」をつくる――チームビルディングのスタート
(2)互いに近づき,協力を進める
(3)「新たな発想や創造性」を引き出す
(4)「拡散的議論」と「収束的議論」の使い分け
(5)議論の仕方についての申し合わせづくり
4 メンバーへの職場全体目標のブレイクダウンと合意づくり
(1)メンバーによる職場全体目標の理解と受け入れ
(2)メンバーによる個人目標の設定
(3)目標達成に至る「方法論」や「シナリオ」の考案
5 目標のもっている意欲づけ効果
(1)意欲の3要素
(2)目標のもつ意欲づけ効果のメカニズム
● マネジメントトピックス:マネジメント手法としての目標管理について(ピーター・F・ドラッカーの発想と実践)
■ コラム 看護管理者の体験から:業務改善を通してのスタッフの意欲づけ
第4章 成果を意識して仕事をやり遂げ,業績を上げるために(2)<意欲のマネジメント>
1 効果的な"Do"の実践――基本的な心構えについて
(1)いろいろ働きかけても理にかなっていなければ効果はない
(2)メンバーに対して敬意と関心をもち続けること
(3)メンバーの「アンビバレントの心理」を信じ,少し待てること
2 人の意欲が生まれる基本条件
(1)自分への関心と自分がつかめること(アイデンティティの確立)
(2)肯定的な自己評価,効力感,成長感をもてること
(3)意義や価値につながっていること
3 効果的な意欲づけマネジメント
(1)取り組む課題の特性を考慮する
(2)課題遂行の段階を考慮する
4 「着手」段階の意欲づけ――「よしやろう」,「やってみよう」の心理
(1)意欲につながるメンバーの意識
(2)リーダーの働きかけ
5 「中途」段階の意欲づけ――「やり続けよう」,「ねばろう」の心理
(1)意欲につながるメンバーの意識
(2)リーダーの働きかけ
6 「完了・結果」段階の意欲づけ――「やってよかった」,「また次も」,「次こそ」の心理
(1)意欲につながるメンバーの意識
(2)リーダーの働きかけ
7 達成度についての評価
■ コラム 看護管理者の体験から:私を職場に踏みとどまらせた師長の言葉とかかわり
第5章 互いの能力を育むために<コンピテンシーとその育成>
1 スタッフの育成はリーダーの重要な仕事
(1)いつ育成するのか
(2)何を育成するのか
2 コンピテンシー(業績直結能力)について
(1)仕事において成果を出せる人と出せない人がいる
(2)コンピテンシーとクリニカルラダーとの関連性
3 コンピテンシーは学習できる
(1)自己経験の振り返りと他者経験の取り込みによる学習
(2)コンピテンシー育成のための働きかけ
4 コンピテンシー育成と意欲づけの連動性――PDSサイクルを回す中で
(1)意欲づけとコンピテンシー育成を同時に進める
(2)「方法論とシナリオ」の重要性を再度確認する
5 「経験を通して学習する習慣」はキャリア開発の基本
6 他者との経験の共有によるコンピテンシーの学習
■ コラム 看護管理者の体験から:新任師長時代に実践したスタッフへの働きかけ
第6章 情動を出し合い,受け止め合うために
1 看護職の仕事と「感情労働」
(1)サービス組織としての病院組織
(2)病院組織における感情労働とその実践水準
(3)メンバー相互の情動の出し合い,受け止め合いの意味
(4)職場での受け止め合い欠如の向かうところ
2 リーダーの情動的知能
(1)論理的な頭のよさ
(2)情動的な頭のよさ
3 情動を出し合い,受け止め合うために――関係性のマネジメント
(1)自分の「基軸」を,自信をもって表明しておく
(2)メンバーの悩みの源泉を解消する
(3)積極的傾聴を心がける――基軸が不可欠
■ コラム 看護管理者の体験から:事例を通して学んだ「関係性のマネジメント」の大切さ
第7章 コミュニケーションの総合力を身につける
1 コミュニケーションについての誤解を解く
(1)コミュニケーションにまつわるあいまいさ
(2)コミュニケーションはマネジメントの手段
(3)組織外に向けた活動とコミュニケーション
(4)組織内の活動とコミュニケーション
2 職場への期待を満たすコミュニケーション――必要条件
(1)仕事をやり遂げ,業績を上げるためのコミュニケーション
(2)互いの能力を育むためのコミュニケーション
(3)情動を出し合い,受け止め合うためのコミュニケーション
(4)コミュニケーションの内容は「情緒的なもの」だけではない
3 コミュニケーションの方法
(1)言語によるコミュニケーション
(2)言葉によらないコミュニケーション
4 コミュニケーションの総合力――論理性と情緒性
(1)応答性と感受性を身につける
(2)受け止める力を身につける――聞き(聴き),読む力
(3)伝える力を身につける――話す力
(4)伝える力を身につける――書く力
(5)伝える力を身につける――その先を考える
5 「変革」と「連携」を進めるコミュニケーション
(1)「壁」や「溝」があると変革や連携は進まない
(2)看護職にとっての「壁」と「溝」の現状――データによる検討
(3)「共に見るもの」を促進するコミュニケーション
(4)「共同一体」を基調とする対人コンタクト
■ コラム 看護部長の視点と視野:在宅療養支援病院における「院内連携」と「地域連携」のためのマネジメント
第8章 リーダーとしての成長を目指して
1 本書で理解してきたこと――原理や根拠とともに
2 本書で理解していただきたかった2つのこと
(1)「なすべきこと」を実現するためにリーダーは任に就くこと
(2)言葉にできる知識と経験とをつなぐ「手続き的知識」の大切さ
3 自らのキャリア目標を意識する
(1)ありたいリーダー(管理者)像を描く
(2)キャリア目標の内容
(3)リーダーとしての成長について
4 本書を終えるにあたって――期待と激励を込めて
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