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外来で始める在宅療養支援

ニーズ把握と実践のポイント

  • 永田智子・田口敦子 編
  • B5 128ページ (判型/ページ数)
  • 2021年04月発行
  • 978-4-8180-2337‐6
本体価格(税抜): ¥2,000
定価(税込): ¥2,200
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在宅で療養する患者を支える外来の役割・機能と実践事例をコンパクトに収載!

入院期間の短縮化に伴い、在宅で療養する患者を支える外来の役割がますます重要となっています。その一方で、患者と接する時間が少ない外来では、支援が必要な患者に気づき、時間をかけて対応することが難しい現状があります。

本書は患者ニーズを的確に把握して支援につなげるためのポイントや外来看護師一人ひとりが力量形成を行う必要性、また地域の関係職種・関連機関等と連携しながら進める実践事例を提示し、さらに院内の仕組みづくりや支援マニュアルの例も含め、現場で広く活用できる一冊です。


Ⅰ 外来での在宅療養支援で必要なことは何か
1 在宅療養支援においてまず知っておきたいこと
 1) 医療機関に来院する人々
 2)患者と医療者のかかわり
 3)外来でのニーズ把握の流れ
 4)外来の体制による支援方法の違い
2 外来看護師に求められること
 1)外来での在宅療養支援とは
  ①病状管理および医療処置への支援
  ②治療継続支援
  ③意思決定支援
  ④在宅サービス利用支援
 2)在宅療養支援に取り組む外来看護師が常に心がけること
  ①患者の自宅での生活を充実させる
  ②外来で患者に声をかける時間をつくる
  ③院内外の関係職種と連携する
コラム 外来での在宅療養支援での実態
3 在宅療養支援に向けた院内の仕組みづくり
 1)東北大学病院の在宅療養支援の取り組み
  ①東北大学病院の概要
  ②当院における在宅療養支援の現状
  ③当院の外来看護の歩み
  ④取り組みの実際
  ⑤外来でのカンファレンスの定着に向けた新たな取り組み1 ― ワーキンググループの立ち上げ
  ⑥外来でのカンファレンスの定着に向けた新たな取り組み2 ― 日々のミニカンファレンスの実施と記録による情報共有
  ⑦まとめ
 2)在宅療養支援に向けた仕組みづくりのポイント
  ①外来看護師が在宅療養支援の必要性を理解する
  ②在宅療養支援の必要者を特定できる仕組みづくり
  ③在宅療養支援のPDCAを回す

Ⅱ 在宅療養支援が必要な患者を外来でどう見つけるか
1 在宅療養支援を必要とする患者像とは
2 外来患者の在宅療養支援ニーズの把握方法とその実施状況
 1)調査の概要
 2)調査対象の概要
 3)ニーズ把握の実施状況
 4)ニーズ把握の実施状況に関する評価
実践紹介 外来に「関所」を設けるー福島県立医科大学会津医療センターの「患者支援センター」の取り組み
3 外来で患者ニーズを見つけるためのポイント
 1)ニーズに気づくための視点
  ①患者の治療や病状
  ②患者の受診行動のとり方
  ③同行者の来院時の様子
  ④患者の自宅での様子
  ⑤患者や介護者の自己管理やセルフケア状況
  ⑥患者や介護者の在宅サービスに関する認識や申請状況
 2) 外来看護師がニーズを発見して支援につなげた事例
  ① 症状悪化に対する介護力の不足が主な理由で支援を始めた事例
  ② セルフケアが十分でなかったことが主な理由で支援を始めた事例
  ③ 介護負担の増大が主な理由で支援を始めた事例

Ⅲ 外来での在宅療養支援の実際
1 AYA世代がん患者の意思決定を最期まで支える
2 かかわり続けることで潜在ニーズにタイムリーに対応する
3 家族の介護や生活を支えながら療養する患者の受診環境を調整する
4 実施されていたケアが十分でなかったためサービスの再調整を行う
5 連絡が取りにくいキーパーソンへのアプローチを地域包括支援センターと連携して行う

資料 外来の在宅療養支援マニュアルの例


はじめに

 外来はプライマリケアの第一線として、疾患をもちながら生活する患者や回復期にある患者を支える場であり、また治療方針の決定や新たな治療・ケアの導入の場としても、住み慣れた環境での療養を支える地域包括ケアシステムの要の一つといえます。高齢患者、慢性疾患患者、生活への支援を要する患者が増加する中、外来での対応の重要性が増しています。また、入院期間の短縮化により病状が安定する前に退院する患者が増えるとともに、外来がん化学療法など、外来のみで治療を行う患者が多くなっています。厚生労働省「患者調査」によると、1996(平成8)年にはがん患者の人口10万対受療率は入院111、外来123でしたが、2017(平成29)年には入院100に対し外来145となり、外来で治療を受けているがん患者の割合が増えています。また、外来患者は高齢化しており、外来患者の中の65歳以上の高齢者の割合は、2008(平成20)年の44.8%から2017年の50.7%まで増加しています。
 こうした中、外来に通院している患者が、受診している病気の悪化だけでなく、老化やほかの病気の影響で身体機能や認知機能が低下し日常生活に支障をきたしたり、家族の病気などによる家族介護力の低下で服薬管理や医療処置、家事などが行えなくなったりといった事態に至り、結果として自宅での生活に困難が生じるということが起きています。外来では、診察・治療を効率的に実施することが求められますが、それだけでなく、医療機関に来院する前の患者、帰宅後の患者の状況をイメージし、さらに次の受診やその先の変化を予測した対応を行う必要があります。
 外来患者における病気や生活に関する困難とそこから生じるニーズについては、外来で出会う医療者やスタッフが気づき、場合によっては在宅サービスなどにつないで対応することになります。しかし、ニーズ把握の方法や支援の必要性の判断、サービスにつなげるための体制整備などについての知見は未だ不十分です。外来では患者と医療者が直接接する時間が短時間であることが多く、医療者は受診の理由となった疾患に注意が向きがちで、患者の状態を包括的にとらえることが難しい現状です。また外来の看護体制は医療機関ごとにさまざまで、継続的なアセスメントが難しかったり、看護者間や職種・部門間のタイムリーな情報伝達や連携を行いにくかったりすることもあります。そのため、効果的・効率的な在宅療養支援の方法を構築することが課題となります。
 在宅療養支援とは、外来患者の在宅での療養生活についてのアセスメントと、必要に応じて直接ケアや指導、サービスの導入などを行うことにより、状況の変化に対応し、在宅での生活が円滑に継続できることを目指す支援全体を指します。在宅療養支援の内容としては、病状管理および医療処置への支援、治療継続支援、意思決定支援、在宅サービス利用支援が含まれ、外来で行われる支援の幅広さがうかがえます。
 入院患者への在宅療養支援として実施される退院支援は、日本でも2000年代から本格的に取り組みが行われ、退院支援を必要とする患者像、退院支援の具体的な内容、支援を円滑に行うための院内のシステムなどの知見も蓄積され、診療報酬も算定されています。2018(平成30)年からは「入退院支援」として、入院する前、すなわち外来通院の段階で患者の状況を確認し、教育や調整を行う取り組みに対する評価として、新たな加算も設けられるようになりました。病状が悪化したり、生活に支障が出ていたりする患者においても、ある意味入院がサービス導入などによる生活基盤の立て直しの契機になるとも考えられます。一方で、外来に通院する中で状況が変化した患者をどのように把握し、支援していくかという点については、今後知見を蓄積していく必要があると考えます。
 本書では、これまでの実践や研究から見えてきた外来での在宅療養支援の方法や課題を整理して実践事例とともに提示することにより、外来での実務者や管理者の皆様が、実践や体制を改善するヒントを得ていただくことを目指しています。それにより、外来患者の療養生活の安定、QOL(生活の質)の向上につながればと祈念しています。
2021年4月
編者を代表して 永田智子

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