- A4変 80ページ (判型/ページ数)
- 2021年08月発行
- 978-4-8180-2320-8
本体価格(税抜): ¥1,400
訪問看護の現場では、リハビリテーションや入浴介助時、移動・外出中にヒヤリハットや事故が多く発生しています。これらは誰でも起こし得るものであると認識し、日ごろから対策しておくことが重要です。
また、基本的に訪問看護師は単独で利用者のケアに当たるため、事故発生時にすぐに他の医療スタッフの応援を呼ぶことはできず、1人で初期対応を行わなければなりません。しかし、事故が起きると当事者はパニックとなり、冷静な判断ができなくなります。初期対応を誤ると、利用者・家族との関係性の悪化、ステーションへの信頼の低下、さらには民事上・刑事上・行政上の責任を負う可能性もあるため、リスクマネジメントが求められます。
本特集では、〈総論〉で訪問看護ステーションにおけるヒヤリハット・事故の特徴や傾向を踏まえ、安全対策の基本、対応のポイントを説明します。続いて、〈解説〉では、事故が発生した場合に、訪問看護師や訪問看護ステーションが問われ得る法的責任について弁護士が解説。さらに架空の事故事例を基に望ましい対応方法を考えます。〈事例〉では、事故防止対策に取り組んでいる3つの実践例を紹介します。
特集2:
在宅療養の可能性を広げる
看護小規模多機能型居宅介護
病院から在宅へと療養環境の移行が後押しされる中、「通い」「泊まり」「訪問看護」「訪問介護」のサービスを一元的に提供する看護小規模多機能型居宅介護(看多機)が、地域包括ケアの重要な拠点として注目されています。看多機は住み慣れた地域で最期まで生活したい人の望みをかなえるべく創設されたサービスですが、その事業所数はまだ十分とはいえない状況です。
本特集では看多機の特徴や利用者像をはじめ、令和3年度介護報酬改定を踏まえた政策動向や課題を整理した上で、今後期待される役割を展望します。さらに、「重度化防止・自立支援」「在宅移行支援」「看取り」の事例をとおして、ケアプランの立て方、利用者にもたらす効果、多職種との連携の実際などを紹介するとともに、安定的なサービス提供に向けた取り組みや課題について報告します。