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在宅療養者のスキンケア

健やかな皮膚を維持するために

  • 岡部美保 編
  • B5 208ページ (判型/ページ数)
  • 2022年06月発行
  • 978-4-8180-2522-6
本体価格(税抜): ¥3,400
定価(税込): ¥3,740
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◎皮膚の基本知識(エビデンス)をおさえながら、豊富な実践智をもとに予防のアセスメント・ケアを丁寧に解説しました。
◎在宅療養の場で、本人・介護者とともにスキンケアを継続するための必携書!
◎スキンケアの継続により、ドライスキンから褥瘡までのトラブル発生を予防しましょう!

在宅療養者によくみられるスキントラブルや創傷について、「スキンケアの基本」(動画付き)や「アセスメント」「予防的ケア」「ワンポイント・アドバイス」など、豊富な実践智をもとに丁寧に解説しました。
皮膚の「基本の知識」(エビデンス)をおさえながら、ドライスキンから褥瘡までの「実践の知識」を展開しています。


基本の知識:在宅療養者の皮膚の理解
第1章 在宅におけるスキンケアの意義、目的

高齢者の皮膚の特徴/予防的スキンケアと治療的スキンケア/在宅療養者の皮膚を守る連携/在宅で活用できる保険制度
第2章 皮膚のはなし
①皮膚のしくみと役割(構造と機能と生理)
構造/皮膚の機能と生理
②皮膚に影響を与える要因
外的要因/内的要因
③在宅療養者の皮膚の見方・アセスメントのポイント
第3章 栄養のはなし
①健やかな皮膚を保つための栄養
栄養障害/栄養関連障害
②創傷の予防・治癒に重要な栄養素
エネルギー/たんぱく質/アミノ酸・その他の栄養素
③スキンケアの観点から考える栄養アセスメントのポイント
栄養障害のアセスメント/栄養管理法に関連するスキントラブル
第4章 創傷のはなし
①スキントラブルに関連する創傷
創傷ケアの理解/ハイリスクな療養者の創傷
②創傷治癒のメカニズム
創傷治癒過程/急性創傷と慢性創傷

実践の知識:アセスメントと予防的スキンケア
第1章 スキンケアの基本

第1章の読み方
①洗浄のスキンケア
洗浄のスキンケアとは/洗浄のスキンケア用品:種類と特徴/洗浄のスキンケア:実践
②保湿のスキンケア
保湿のスキンケアとは/保湿のスキンケア用品:種類と特徴/保湿のスキンケア:実践
③保護のスキンケア
保護のスキンケアとは/保護のスキンケア用品:種類と特徴/保護のスキンケア:実践
④医療用テープの知識と使い方
医療用テープとは/ 医療用テープの使い方
第2章 だれにでも起こるスキントラブル
第2章の読み方
①ドライスキン
ドライスキンとは/予防のアセスメント/予防的ケア
②浸軟
浸軟とは/予防のアセスメント/予防的ケア
③浮腫
浮腫とは/アセスメント/スキントラブルの予防的ケア
④真菌感染症(白癬)
真菌感染症とは/予防のアセスメント/予防的ケア
⑤低温熱傷
低温熱傷とは/予防のアセスメント/予防的ケア
第3章 ハイリスクな療養者のスキントラブル
第3章の読み方
①失禁関連皮膚炎(I A D)
失禁関連皮膚炎とは/アセスメント/予防的ケア/発生後のケア
②スキン-テア
スキン-テアとは/アセスメント/予防的ケア/発生後のケア
③褥瘡
褥瘡とは/アセスメント/予防的ケア/発生後のケア


序文

スキンケアは,皮膚の生理機能を良好に維持する,あるいは向上させるために行うケアの総称であるとともに,わたしたちの看護の質が問われるケアであるとも感じています。
人は生まれた直後から産湯に入り,人生を全うし終えたエンゼルケアに至るまで,一生涯にわたりスキンケアを行います。地域では,疾病構造の変化と共に,疾病や障害を持ちながら住み慣れた場所で生活したい,人生の最期を心安らぐ暮らしの場で迎えたいと望む人々が増えています。 人々の願いを叶えるためには,在宅療養を支えるさまざまな専門職の支援が必要になります。中でも訪問看護師は,医療と生活の両視点から看護を実践する専門職として,人々の疾病予防・健康増進に関与する看護の提供が期待され,在宅における医療的ケアの提供においては,かかりつけ医とともにケアの中心的な役割を担い責任と判断が求められています。
筆者は,これまで在宅看護(訪問看護)の現場で,重症かつ難治化する創傷を有する,たくさんの療養者やご家族の悲しみに直面しました。改善や治癒に至らない状況に,書籍や文献,研修などで得た知識を駆使してケアを実践しても,根本的な解決の糸口が見出せず,ケアに迷い悩み逡巡し,療養者やご家族と一緒に涙したことも一度や二度ではありません。現在実施している,地域の訪問看護事業所等へのコンサルテーションにおいて,訪問看護師などからの“繰り返すスキントラブルや創傷”に対する悩みの声は,かつての自分と想いが重なり胸が熱くなります。在宅療養者のスキントラブルを防ぐためには,スキンケアによって皮膚の生理機能を正常に保ち健やかな皮膚を維持すること,さらに,予防的観点から療養者を多面的にアセスメントする視点が必要となります。
本書は,日々至極当然のこととして行っているスキンケアの重要性を再度ご理解いただき,スキントラブルの発生や重症化の予防につながるよう,在宅におけるスキンケアの基本と実践の知識の提供を目的として編集いたしました。
基本の知識は,療養者の人生に真摯に向き合い,日本の在宅医療・看護の発展を牽引されている先生方に,皮膚と創傷に関連する基礎知識を,褥瘡・皮膚・創傷・栄養の専門的なお立場からご教授いただきました。実践の知識は,根拠に基づいた予防的スキンケアを中心にご紹介しています。在宅の臨床実践で遭遇することが多いスキントラブルに対し,在宅の特徴を踏まえたアセスメントやケア方法などを,現場でご活用いただけるように展開しています。執筆にあたっては,これまで携わらせていただいた,たくさんの在宅療養者の臨床例,それぞれとの交流や思いを想起しながら著述いたしました。
本書は,在宅療養者を支援する方々に,在宅のスキンケアに特化した専門性と汎用性を備えた一冊となるよう,思いをこめて創り上げたものです。療養者やご家族が暮らし慣れた場所で,皮膚も心も潤う心豊かな人生が続きますように,この本が,療養者の一番近くでひたむきに看護や介護を実践する方々の,拠り所としてご活用いただけましたら,望外の喜びにございます。
最後に,本書の制作,上梓にあたり,多大なご協力を賜りました執筆者の先生方をはじめ,一心一意にご尽力を賜りました日本看護協会出版会の皆さまには,心より感謝申し上げます。

2022年6月
岡部 美保

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