- A4変型 80ページ (判型/ページ数)
- 2004年04月発行
- 978-4-8180-1057-4
本体価格(税抜): ¥982
特集1:
ケアの標準化とは?
──その根拠をめぐる議論
2003年6月に出された厚生労働省「高齢者介護研究会報告書」には、“ケアの標準化”の必要性が謳われています。曰く、「○“ケアの標準化”は、効果的なケアの提供・選択を可能にするなど、サービス水準の確保・向上に寄与するものであるが、現在は、“ケアの標準化”が十分になされていない。○“ケアの標準化”のためにも、高齢者ケアを科学的アプローチにも耐えうる専門領域として確立していくことが求められる」。一方で、ケア(とりわけ看護)では個別性重視の実践が説かれ、単純な“標準化”“規格化”は逆にサービスの水準の低下を招かないとも限りません。つまり、ケアの標準化に際しては、一体、ケアという複雑系の実践のどの部分に焦点を当てるのか、議論する必要があります。少なくとも、これが費用効率の追究という経済的要因が第一義的になると、米国のマネジドケアの歴史が示しているように、ケアのタペストリーの破壊につながってしまいます。この特集では、そのような不幸な事態を招来しないように、“ケアの標準化”において可能なことと不可能なことを明らかにし、経済優先の“標準化”を阻止したいと考えています。