- A4変 80ページ (判型/ページ数)
- 2012年05月発行
- 978-4-8180-1634-7
本体価格(税抜): ¥1,100
特集1:
新開発の“シート”でできる!
高齢者ケア施設での転倒予防
高齢者ケア施設における事故の中で、転倒による大腿骨頸部骨折は利用者のQOL低下などを招きやすく、現場はその発生予防に取り組んでいます。しかし、転倒高リスク者のアセスメントが不十分な上に、転倒の原因を「利用者の身体機能の低下」や「認知症」など改善が難しいものとしていることが多く、具体的な対策がとれないでいます。
本誌編集委員で、特養看護に長年携わってきた鳥海房枝さんは、この現状を打開するために2年半にわたって転倒の高リスク者を事前に絞りこむための「大腿骨頸部骨折発生リスク者のアセスメントシート」と事故発生後に活用する「要因分析シート」の開発に取り組みました*。「アセスメントシート」で事故発生を予防し、「要因分析シート」で原因を探り、ほかの利用者の転倒予防に生かしていく、二段構えでの対策です。
本特集では、2つの新開発のシートを活用する転倒予防について鳥海さんに「総論」でお話をうかがい、「解説」でその使い方を紹介。さらに、鳥海さんが事務局長を務める「NPO法人メイアイヘルプユー」が行った、2つのシートを活用した転倒予防の研修会の様子をレポートします。
アセスメントや要因分析をきちんと行うことで「転倒」は必ず減少します。本特集で、そのポイントをつかんでください。
東日本大震災から1年以上経過しました。しかし、復興はなかなか進まず、仮設住宅での慣れない生活で体調を崩す高齢者や、肉親の死などの精神的ダメージから立ち直ることのできない被災者たちには定期的な支援が必要です。その支援は“生活”に視点を置いたものが求められており、“看護”による支援は、今、最もニーズのあるものの1つと言ってよいのではないでしょうか。
そのような中、“生活の場”を支える看護の実践が広がることをめざしている、日本訪問看護財団・在宅看護研究センターLLP・全国訪問看護事業協会の3つの団体は、それぞれの特長を生かして被災地での支援を行っています。そして、そのいずれもが被災地に赴くナースを募集しています。本特集でその取り組みに興味を持たれたら、ぜひ、支援の一歩を踏み出してください。