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リソース中心に考える! つくれる! 使える!

訪問看護事業所のBCP(事業継続計画) NEW

  • 訪問看護BCP研究会 編
  • B5 148ページ (判型/ページ数)
  • 2022年06月発行
  • 978-4-8180-2418-2
本体価格(税抜): ¥2,700
定価(税込): ¥2,970
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昨今、各地で相次ぐ自然災害の発生や新型コロナウイルスの感染拡大等への対応力強化を図り、非常時でも必要なサービスを継続的に提供できるように、訪問看護事業所においても策定が義務づけられたBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)。本書では特にリソース(資源)に着目し、それらを“減らさない・活用する・増やす” 視点から、各地域の状況や事業所の特徴等を踏まえ、ワークシートを用いた‟使える”BCPの作成方法と作成例を中心に解説します。


1章 訪問看護事業所におけるBCPの現状と課題
1 地域における大規模自然災害・パンデミック対策
2 地域包括ケアシステムにおける訪問看護事業所の災害・パンデミック対策
3 訪問看護事業所におけるBCPの特徴と課題


2章 BCP作成のための参考例
1 厚生労働省「介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」「介護施設・事業所における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン」の紹介
2 全国訪問看護事業協会「自然災害発生時における業務継続計画(BCP)―訪問看護ステーション向け―」「新型コロナウイルス感染症における業務継続計画(BCP)―訪問看護ステーション向け―」の紹介


3章 リソース中心のBCPの考え方
1 リソース中心の考え方――リソースの重要性
2 リソースを中心としたBCP作成の流れ


4章 BCP作成の方法
1 リソース中心の9 StepによるBCPの作成手順
2 BCPの明文化の方法――全国訪問看護事業協会「自然災害発生時における業務継続計画(BCP)―訪問看護ステーション向け―」を参考に


5章 BCP作成の実際
1 都市型大規模ステーションにおけるリソース中心の作成手順に沿ったBCP
――ケアプロ訪問看護ステーション東京
2 医療依存度が高く独居高齢者が多いステーションにおけるBCP
――メディカル・ハンプ訪問看護ステーション
3 同一法人の複数施設全体で組織的に連携して取り組むBCP
――ふれあい訪問看護ステーション
4 風水害リスクが高く子育て中のスタッフが多いステーションにおけるBCP 
――なごみ訪問看護ステーション
5 山間地域にある町営の小規模ステーションにおけるBCP
――川根本町訪問看護ステーション
6 パンデミック発生時の中小規模ステーションにおけるBCP
――訪問看護ステーションはな


6章 BCPで考察する実践例
1 複数の危機対応を可能にした県内事業所の体制整備
――熊本県訪問看護ステーション連絡協議会
2 外部リソースの調達を可能にした他機関との連携
――新宿区内訪問看護ステーション連絡会
3 地域リソースの最適な配分のための地域との協働
――平塚市医師会訪問看護ステーション
4 おわりに



まえがき

 BCP(Business Continuity Plan)とは「事業継続計画」あるいは「業務継続計画」とも訳され、内閣府では「危機的事象の対応計画」と定義し、「特定の発生事象(インシデント)による被害想定」を前提に、「被災後に、重要業務の目標復旧時間、目標復旧レベルを実現するために実施する戦略・対策、あるいはその選択肢、対応体制、対応手順等」を含むものとしています(「事業継続ガイドライン―あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応―」2013〔平成25〕年8 月改定)。
 2001(平成13)年にアメリカで起きた同時多発テロや2011(平成23)年の東日本大震災等を契機に、主に企業分野でBCP を策定することの重要性が浸透し、災害時医療の要となる災害拠点病院等でのBCP 策定も強化されてきました。訪問看護事業所においても、感染症や災害時の対応力強化が図られることとなり、非常時でも「業務」である利用者への訪問看護を提供し続けることを可能にし、事業所として「事業」を継続することで、地域医療にも貢献することが必要です。
 そのような中、厚生労働省令「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(2021〔令和3〕年1月)および「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」(2022〔令和4〕年3月)がそれぞれ改正され、感染症や災害が発生した場合であっても、必要なサービスを継続的に提供できる体制の構築を目指し、すべての介護サービス事業者が、業務継続に向けた計画等の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施等を2024(令和6)年3月31日までに計画・実施するように義務づけられたのです。
 すでに国内の大企業・中小企業のほか、災害拠点病院等でもBCP 策定の実績があり、ガイドラインやマニュアルも整備されてはいるものの、誰もが簡単にBCP 策定や研修の実施を進められる状況にあるとは言えません。また、訪問看護事業所ならではの特徴により、特有のBCP の要素があると考えられました。
 そこで、私たちは2016(平成28)年に「訪問看護BCP 研究会」を立ち上げ、新たな手法として、BCP に必要な「ヒト・モノ・カネ・情報」といったリソース(資源)に注目し、訪問看護事業所におけるBCP の要素の抽出やBCP 策定の実態調査等を行ってきました。リソースを中心としたBCP では、災害等によりリソースが不足した状態で業務の継続ができないこと自体を問題と捉えます。逆に言えば、被災をしてもリソースが充足した状態であれば業務の継続は可能と考え、一度作成すると他の事象に対しても応用が利きます。
 本書では、このリソースを中心としたBCP の考え方を取り入れ、段階を踏みながら策定できるように工夫されたワークシートによるBCP の作成方法の詳細と、その方法で実際にBCP を作成した事業所の事例をメインに構成し、わかりやすく解説しています。また基礎知識として、地域における大規模自然災害・パンデミック対策や訪問看護事業所ならではのBCP の特徴および課題などについての概説も加えています。
 なお、BCP は一度策定してもそれで終わりではなく、さまざまな災害等が起きるたびに見直して訓練を重ねて更新し、想定外の事象への対応力を養い、他機関や地域との連携を通して地域力を高めていく必要があります。そこで本書には、大規模自然災害やパンデミックを経験した訪問看護事業所の実践例をもとに、BCP やBCM に必要な視点を考察する章も設け、他機関や地域との連携がもたらすメリットを言語化したうえで、BCP の策定や見直し、また研修の企画などにも応用できるようになっています。
 これからBCP の策定を検討されている事業所はもちろん、すでに策定済みでBCPを運用されている事業所においても、今一度、リソースを中心とした観点から、本書を自施設の対策やBCP の見直し等に広く活用していただき、自然災害やパンデミックに対する事業所の体制整備や対応力向上に少しでも役立てていただければ幸いです。

 2022年5月
編者を代表して 石田千絵

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