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もしものときにすぐ動ける 応急処置52シーン

事故・災害時、駅・路上・旅行先・イベント会場など、どんな場面でも

  • 三上剛人・田口裕紀子 編
  • 新書 200ページ (判型/ページ数)
  • 2023年01月発行
  • 978-4-8180-2544-8
本体価格(税抜): ¥1,400
定価(税込): ¥1,540
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看護を学ぶ学生や新人スタッフなど、看護師になったら誰もが押さえておきたい応急処置の知識と手順を簡潔明瞭に紹介。事故や災害が多発する昨今、病院の外で苦しんでいる急病人や怪我人に遭遇したとき、看護師としてすぐにできること・すべきことを、52の身近なシーンを通して解説します。すべてのナースの必携書。


第1章 もしものときの初期対応
最初に行う観察
気道の確保
意識状態の確認
回復体位
心肺蘇生
圧迫止血
RICE処置
脱水症状
問診

第2章 場面別応急処置52シーン
症状もくじ
傷病名もくじ

●失神している!
1. 音楽ライブ会場で失神した20代の女性。意識は取り戻したけれど、「気分が悪い」と言っている。[迷⾛神経反射]
2. 授業中、男子学生が「心臓の鼓動がおかしい」と言って倒れた。脈が乱れている。[⼼原性失神]

●意識障害がある!
3. 在宅酸素療法中の祖父。今日は元気がない。声をかけても返事がなく、呼吸がすごく遅い。[CO2ナルコーシス]
4. 結婚式の披露宴で、高齢男性が座ったままいびきをかいている。声をかけたが、反応がない。[脳血管障害]

●頭が痛い!
5. ボクシングの試合観戦に熱中していた60代男性が、激しい頭痛を訴え、嘔吐し始めた。[脳血管障害]
6. 祖母とテレビを観ていたら、「顔が麻痺してお茶が口からこぼれる」と言い出した。[脳血管障害]
7. 温泉から上がってきた父が「頭痛がする」と言う。血圧を測ったら、200/120mmHgと表示された。[高血圧緊急症]

●痙攣している!
8. オフィスビルの前で中年の男性が倒れていて、全身けいれんを起こしている。呼びかけても意識がない。[てんかん発作]
9. 熱があったので保育園を休ませていた子どもが、自宅でけいれんを起こし始めた。[熱性痙攣]

●めまいがする!
10. 駅のトイレで高齢の女性がうずくまっている。「めまいがして動けない」と言っている。[末梢性めまい]
11. 公園でゲートボールをしていた高齢男性。「めまいがする」「手足がしびれる」と言って、しんどそう。[中枢性めまい]

●息が苦しい!
12. 同居している73歳の祖父。顔色が悪くて、「横になると息が苦しい」と言っている。[⼼不全急性増悪]
13. 60代女性。避難所生活が続いている。トイレに行こうと立ち上がり、1・2歩進むと急に顔色が悪くなり、苦しそうに倒れ込んだ。[肺塞栓]
14. 高速バスの車内で、30代くらいの男性が、おかしな呼吸をしていて苦しみ出した。[喘息発作]
15. 地下鉄の改札でしゃがみこむ高齢の女性。杖に寄りかかり、肩で息をしている。唇の色がよくない。[呼吸困難]
16. 遊園地でおそるおそる観覧車に乗った友達(10代女性)が、突然「息が苦しい」と言い出した。[過換気症候群]
17. 70歳になったおじいちゃん。古希祝いをしようと、家族でステーキハウスに行った。食事中、おじいちゃんが急に苦しみ出した。[窒息]

●熱がある!
18. 昨日から38度台の熱とのどの痛みがあって、つばが飲み込みにくい。コロナのPCR検査は陰性だった。[急性喉頭蓋炎]
19. 食事中にむせることが多くなった祖父。昨日から痰が絡んでいて、熱もある。[誤嚥性肺炎]

●顔色が悪い!
20. ダイエットに励んでいる姉の顔色が悪い。「どうしたの?」と尋ねると、「ちょっとフラフラする」と言う。[鉄欠乏性貧血]

●気分が悪い!
21. テニスをしていた40代男性。気分が悪そうで「冷や汗が出てる」と言う。糖尿病でインスリンの自己注射をしているらしい。[低血糖]
22. 真夏の屋外フリーマーケットに出店していた20代の女性。「頭痛と吐き気がする」と言い、座り込んでしまった。[熱中症]

●吐き気がする!
23. お店の隣席で、仲間と飲み勝負をしていた20代の女性が、トイレに入ったまま中で動けなくなっている。[急性アルコール中毒]
24. 面接に来た女子学生が、泣きながら「吐き気が止まらない」と言っている。でも熱はないみたい。[急性胃腸炎]
25. 自宅でくつろいでいた20代の男性。昨日の夜から吐き気がして、何度かもどした。お腹が痛いし、熱もある。[虫垂炎]

●お腹が痛い!
26. 在宅療養中の82歳男性。いつもの活気がなく、「お腹が痛い」と言っている。[消化管穿孔・腹膜炎]
27. 夕食の後、53歳の母が「みぞおちから肋骨の右下あたりが痛い」と言い出した。熱も出ている。[胆石症]
28. 夫がひどい下痢をしている。2日前に会社で宴会があり、同僚も同じ症状だという。まだトイレから出てこない。[感染性胃腸炎]

●胸が痛い!
29. 中古車に試乗していたら、助手席の50代男性店員が「胸が痛い」と苦しみ出した。顔色が悪い。[急性冠症候群]
30. コンビニで、近所のおじいさんに会った。昨夜ベッドから落ち、その後、息をするたびに胸が痛いと言う。[肋軟骨骨折]

●動悸がする!
31. スーパーの見切り品売り場で、50歳くらいの女性が不安そうに「動悸が止まらないの」と話しかけてきた。[頻脈性不整脈]
32. 駅のホームでぶつぶつしゃべっている60歳くらいの男性。突然、「ICDが!」と声を上げうずくまった。[植え込み型除細動器の作動]
33. 商店街の路上でうずくまる20代の女性。「カバンに入っている薬を飲ませてほしい」と言っている。[パニック障害]

●骨・関節・筋肉痛!
34. 野球の試合中、ファウルボールが観客席に飛び込み、応援団長の右目に当たった。[眼窩骨折]
35. 散歩中の犬がタヌキを見つけて走り出し、飼い主の40代女性が転倒。左手首の痛みがひどいという。[橈骨遠位端骨折]
36. 休日のテニス中に足首をひねった。痛くて歩くのがつらいし、明日は有休にしていいかな?と考えてみる30代男性。[足関節捻挫]
37. 患者の体位変換をしたら腰に痛みが走り、動けなくなった40代の女性看護師。[急性腰痛症]
38. 娘の運動会に参加し、パン食い競争で足をつった40代の男性。うぐいすパンをくわえたまま動けない。[有痛性筋痙攣]

●出血している!
39. 部屋でウサギとリスに追いかけられていた9歳の甥っ子が窓に激突、ガラス片が前腕に刺さった。[異物刺創]
40. 魚をくわえた野良ねこを追っかけていた24歳の主婦。頭を電柱にぶつけ、出血している。[頭部外傷]
41. 振り返ったら子熊がいた。友達の顔をひっかいて逃げて行った。[裂傷]
42. 自転車2人乗りの高校生。農家の軽トラックと接触し、畑に突っ込んだ。1人が膝から血を流している。[擦過症]
43. えっ、お父さん?こんな夜中に…それ鼻血?[鼻出血]

●やけどをしている!
44. 酔っ払って帰宅した夫がカップやきそばの湯切りに失敗し、自分の手にかけてしまった。[局所熱傷]
45. 風呂場で遊んでいた弟を連れ出そうとした10歳の男児が、誤って熱湯を全身に浴びてしまった。[広範囲熱傷]
46. 雷雨の中、公園の前を通りかかると大木から煙が出ていて、その下に男性が倒れていた。[雷撃症]

●凍えている!
47. 真冬の深夜、民家のまばらな県道をフラフラと歩く、全身がびしょ濡れの白い服を着た女性。[低体温症]

●咬まれた・刺された!
48. キャンプ場にいたグループがスズメバチに襲われた。何人かが刺され、しばらくして30代の男性が倒れた。[蜂刺傷]
49. 夏ももう終わり。そうだ、海へ行こう!早朝、誰もいない美しい砂浜。青空の下で波間に身を委ねた。クラゲに刺された。[クラゲ刺症]
50. マムシ酒ってどんな味がするんだろう?さっそく山へマムシを捕りに行った。怒ったマムシに指を咬まれた。[マムシ咬症]

●アレルギー!
51. もらったお菓子を食べた6歳の男児。顔が腫れ、口がかゆいと言う。親は「ナッツを食べた?」と心配そう。[アレルギー]

●中毒を起こした!
52. ずっと既読にならないので心配して家に行くと、友達が吐いたまま寝ていた。ベッドの横には空の薬瓶があった。[薬物中毒]


2013年に、『もしもの時に必ず役に立つ!緊急・応急処置Q&A』を日本看護協会出版会から刊行し、9年あまり経ちました。世の中では自然災害・事件・事故・パンデミックなど人々の生活を脅かす事態が次々と起こっており、同書はそのような「いつか」のために備えるものでした。本書ではさらに前進し、日常で私たち看護師や看護学生が急病や怪我に即座に対応するための本として可能な限りシンプルに、できるだけ優しく、そしてソフトにつくり上げました。
 構成は、急病や怪我の対応に共通する基本的な知識とスキルを紹介する第1章と、52種類の想定シーンを集めた第2章からなります。後者ではそれぞれのケースのポイント、最初に確認すべきこと、最小限の応急処置の手順、そして重要な注意事項を簡潔に整理・解説しています。執筆は救急領域で活躍する17名の看護師にお願いし、救急看護の熟達者らしく判断や対応の難しいシーンも簡潔明瞭に仕上げてくれています。
 医療施設の外で遭遇するファーストエイド場面では、医師も先輩看護師も同僚もそばにいません。しかもさまざまな環境や条件下で起こるため、全く同じ状況を予め想定しておくことはできません。そしてとくに難しいのは「このまま傷病者の様子を見るか、それとも救急車を呼ぶか」といった判断を迫られるケースです。
 オーバートリアージ(実際よりも症状・容態を重く見立ててしまうこと)は許されると言われますが、現場ではできるだけ救急車の利用は控えたいという心情が起きがちです。一方で絶対にアンダートリアージ(症状・容態を軽く見立ててしまうこと)で、手遅れになることがあってはなりません。本書で紹介している多様な場面に「もし自分が遭遇したら」と想像しながら、緊急時対応の奥深さを読み取っていただければと思います。
 もちろん専門的には、ここに書かれている内容よりも深い知識と技術トレーニングが必要かもしれません。しかし、応急処置が必要な場面は明日にでも、いや今日これから起こるかも知れません。本書はそのような事態に看護師として学び育んだ力を発揮するうえで、必ず役に立つものと信じています。ぜひこの1冊をあなたのそばに置いていただければ幸いです。
 なお、企画段階からお声かけいただき、ZoomとSlackを使った完全非対面の打ち合わせで発刊まで伴走してくださいました、日本看護協会出版会編集部の村上陽一朗氏に感謝申し上げます。またイラストレーターの楠木雪野さんには、急な変更や要望にも即座にお応えいただきました。深く御礼申し上げます。

2022年12月 三上 剛人

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