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外来で始める在宅療養支援 第2版

ニーズ把握・仕組みづくり・実践のポイント

  • 永田智子・田口敦子 編著
  • B5 172ページ (判型/ページ数)
  • 2024年08月発行
  • 978-4-8180-2780-0
本体価格(税抜): ¥2,800
定価(税込): ¥3,080
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在宅療養者を支える外来の役割・機能がわかり、実践事例には現場で活用できるヒントが満載! 内容充実の第2版刊行!

入院期間の短縮化に伴い、在宅で療養する患者を支える外来の役割がますます重要となっています。
本書は患者のニーズを的確に把握して在宅療養支援につなげるためのポイントや外来看護師の役割、また地域の関係職種・関連機関等と連携しながら進める実践事例を提示し、さらに院内の仕組みづくりや支援マニュアルの例(カンファレンスの方法など)も含め、現場で広く活用できる内容です。

第2版では、最新の動向やニーズ把握の実態に関する調査結果、特徴的な病院の取り組み例を加えるなど、さらに内容を充実させました。


I 外来での在宅療養支援の現状と外来看護師の役割

1 在宅療養支援が求められる背景
 1)在宅療養支援をめぐる最新の動向
 2)関連の調査結果から見えてくること
2 外来という臨床はどういう場なのか
 1)医療機関に来院する人々
 2)患者と医療者のかかわり
 3)外来でのニーズ把握の流れ
 4)外来の体制による支援方法の違い
3 在宅療養支援を必要とする患者像とは
4 外来看護師に求められること
 1)外来での在宅療養支援とは
 2)在宅療養支援に取り組む外来看護師の視点
  【コラム】外来での在宅療養支援での実態

II 外来での在宅療養支援ニーズの把握

1 在宅療養支援ニーズの把握方法とその実施状況
 1)調査の概要
 2)調査対象の概要
 3)ニーズ把握の実施状況
 4)ニーズ把握の実施状況に関する評価
  【実践紹介】外来に“関所”を設ける―福島県立医科大学会津医療センターの「患者支援センター」 の取り組み
2 在宅療養支援ニーズを見つけるためのポイント
 1)ニーズに気づくための視点
 2)ニーズ把握の実際
 3)外来看護師がニーズを発見して支援につなげた事例

III 外来での在宅療養支援に向けた仕組みづくり

1 在宅療養支援に向けた仕組みづくりのポイント
 1)外来看護師が在宅療養支援の必要性を共有する
 2)在宅療養支援の必要者を特定できる仕組みづくり
 3)在宅療養支援のPDCAを機能させる
2 在宅療養支援に向けた取り組みの実際
 1)「支援ツール」の活用と「カンファレンス」の定例化――東北大学病院
 2)外来で推進する「気になる患者訪問」――水島協同病院
 3)地域に根ざした「生活支援型急性期病院」の外来在宅療養支援――調布東山病院
  【コラム】外来看護における「在宅療養支援係」の取り組み――北海道立江差病院
       毎日の“朝会”“昼会”で患者ニーズをきめ細かに共有する――武川診療所

IV 外来での在宅療養支援の実際

1 AYA世代がん患者の意思決定を最期まで支える
2 かかわり続けることで潜在ニーズにタイムリーに対応する
3 家族の介護や生活を支えながら療養する患者の受診環境を調整する
4 実施されていたケアが十分でなかったためサービスの再調整を行う
5 連絡が取りにくいキーパーソンへのアプローチを地域包括支援センターと連携して行う

資料 外来の在宅療養支援マニュアルの例


第2版刊行に寄せて

『外来で始める在宅療養支援』第 2 版の刊行にあたり、初版の発刊に至る経緯を思い返しています。介護保険制度開始直後の頃は、在宅療養に向けた支援といえば、もっぱら入院患者に対する退院支援を指していました。その後、退院支援の重要性の認識が広く共有され、さまざまな研究上の知見も集積され、2000 年代の後半からは診療報酬による裏づけも行われるようになりました。
 一方で、外来においても医療ニーズの高い患者や在宅生活に不安がある患者等に対する 在宅療養に向けた支援が実施されていることを、筆者自身が把握したのは、2010 年代に 入ってからでした。しかし地域連携を担当する部署と外来との協働は必ずしもスムーズで はなく、また外来患者に対する在宅療養支援は報酬上の裏づけが乏しいことから、入院患 者への支援に比して体制整備が困難なことを認識しました。
 その後、調査や研究を実施する中で、外来における在宅療養支援に関する研究の知見や 先駆的な取り組みをまとめて発信すれば、外来での在宅療養支援の普及に少しでも貢献で きるのではと考え、出版の企画を日本看護協会出版会に持ち込んだのは、2018(平成 30)年の暮れでした。この年は3 回目の診療報酬・介護報酬同時改定の年であり、「入院前支援加算」が新たに設定されて、外来の役割が新たに拡がった年でもありました。
 本書の初版が発行されたのは、その次の診療報酬改定が行われた 2021(令和 3)年でし た。多くの方に読んでいただき、さまざまな反響をいただく中で、筆者は各地の医療機関 で行われている外来での在宅療養支援の取り組みについて、より広く知る機会を得ました。 外来患者の有するニーズを把握・共有し、外来看護師が必要な支援を実施したり、他部 署・他機関につなげたりする取り組みが、医療機関の規模や役割に応じたさまざまな形で 行われています。そして今、第 2 版への改訂を進めている 2024(令和 6)年には、4 回目 の診療報酬・介護報酬同時改定が実施され、外来を含めた医療機関の機能分化が推進され るとともに、外来における支援に対する診療報酬が徐々に拡充されつつあります。
 そのような節目の年に、第 2 版を刊行できることは大変意義深いことと感じています。 本版においては、外来医療・看護をめぐる最近の動向や、多様な医療機関におけるさまざ まな方法での在宅療養支援の取り組みを新たに紹介し、さらに全体の構成や記述内容・表 現の見直し等を行って、いっそうの充実に努めました。
 初版と同様に、この第 2 版も、外来での実践にかかわる看護師の方々をはじめ、医療機関の内外で外来とのつながりをもつ方々、さらには外来や在宅療養支援に関する教育や研究、制度設計に関連する方々など、多くの皆様に手に取っていただければと願っております。それによって、外来患者の療養生活や QOL のさらなる改善につながる契機の一つになれば望外の喜びです。

2024 年 7 月
編者を代表して 永田智子

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