- A4変 80ページ (判型/ページ数)
- 2025年09月発行
- 978-4-8180-2920-0
本体価格(税抜): ¥1,600
在宅療養の支援を継続するためには、利用者の信頼を得ながら療養生活に伴走していく必要があります。しかし、意思疎通の困難や互いの理解の行き違いなどから、思うように“寄り添う”ことができないと感じるケースも少なくないでしょう。
そこで本特集では、熟練訪問看護師たちの記憶に残ったさまざまな利用者との関係について、取り上げてみたいと思います。
まず〈総論〉では、病棟勤務と訪問看護の長いキャリアの中で、筆者が患者や利用者に見た「その人なりの生き方」への受け止め方がどう変化したかを論じます。
そして〈報告〉では、支援の必要性を感じない精神科訪問看護の利用者に対して「相手を知る」ためにとったある行動が関係性を変えた事例や、ケアを拒否する高齢者の自律を尊重しながら清潔を維持し気持ちよく過ごしてもらうことに最善を尽くしたかかわりのほか、子どもへの虐待を疑われ孤立する母親の自立を信じて母子の生活に新しい一歩をもたらしたケース、また、福祉や医療制度の隙間に落ち込み心を閉ざしていた利用者の沈黙と向き合った経験などを紹介します。