- A4変 112ページ (判型/ページ数)
- 2010年01月発行
本体価格(税抜): ¥1,200
特集1:
看護におけるケアとキュア、そして看護の役割
裁量権拡大の本質論
看護師の裁量権・役割拡大の議論は、単に医師不足や病院の閉鎖、医療サービスを受けられない患者の不利益といった現象に象徴されるような、医療の疲弊を緩和することだけが目的ではない。看護教育の高度化により看護師キャリアの構造的変革が急速に進んでいるのに対し、保健師助産師看護師法は1948年の制定以来、業務範囲や裁量権に関わる抜本的な改正は行われていない。このような状況は他のコメディカルでも同様で、医療の高度化・専門分化が進む中、医師に多くの責任を負わせる現状が医療崩壊を急速に進行させているとも言える。各医療職それぞれの成熟した能力を社会に還元し、複雑化した患者の健康ニーズに対応するために何をすればいいのか。日本学術会議や看護系各種協議会など、領域や分野を超えて進む連携が示唆する看護のあり方に加え、先駆的に看護の役割拡大を図る実例を紹介し、今後の具体的な方向性を探る。