- A4変 80ページ (判型/ページ数)
- 2013年02月発行
- 978-4-8180-1702-3
本体価格(税抜): ¥1,100
特集1:
広がる“暮らしの保健室”
――1年半の実践から見えてきたもの
“暮らしの保健室”は2011年7月1日に東京都新宿区の都営住宅・戸山ハイツ1階の商店街の中にオープンしました。開設したのは同区で訪問看護に取り組んできた白十字訪問看護ステーションの秋山正子さんです。
秋山さんが“暮らしの保健室”のモデルとしたのは、イギリス各地でがん患者のさまざまな相談に応えている「マギーズキャンサーケアリングセンター」の取り組みでした。“暮らしの保健室”では、その相談支援の方法を受け継ぎ、地域住民の医療や介護をはじめとするさまざまな“暮らし”の相談に応じ、長年にわたる訪問看護によって築いてきた地域の強固なネットワークを生かして住民の困りごとを解決しています。さらに、厚生労働省の在宅医療連携拠点事業を受託して地域連携の拠点としても活動を広げてきました。
開設から1年半がたち、“暮らしの保健室”を見学した訪問看護師をはじめとする医療・介護関係者が、全国各地で“暮らしの保健室”と同様の取り組みにチャレンジし始めています。
本特集では、まず秋山さんへの「インタビュー」で“暮らしの保健室”の特長や全国への広がりについてお話をうかがい、編集部による1日密着取材の「レポート」と、開設以来、ずっと見守ってきた医療ジャーナリストの村上紀美子さんによる「解説」で、その活動を明らかにします。さらに、岐阜県高山市と埼玉県幸手市で“暮らしの保健室”を開設した「報告」を掲載。「自分の街にも開設したい!」と思ったとき、本特集を活用してください。
2012年11月18日(日)、住友不動産新宿グランドタワーにて、日本訪問看護財団主催、日本看護協会・全国訪問看護事業協会の企画協力で「訪問看護サミット2012」が開催されました。
今回は「新生“訪問看護”〜新しい波にのって〜」をメインテーマに、先駆的な取り組みを行っている5人の訪問看護師による「リレートーク」や老人ホーム「同和園」附属診療所所長・中村仁一氏による“穏やかな死”について考えさせられた「特別講演」、内閣府政策統括官・共生社会政策担当の山崎史郎氏による「基調講演」、そして、それを受けて在宅ケアの新しいサービスを展開している3人の訪問看護師による「シンポジウム」などが行われました(当日のプログラム詳細は49ページ)。
第2特集では、上記3団体から訪問看護への期待を込めた“メッセージ”とともに、サミットの概要を載録し、サミット終了後に行われた「訪問看護ステーション 二十歳のつどい」もレポートします。