- A4変 80ページ (判型/ページ数)
- 2018年06月発行
- 978-4-8180-2076-4
本体価格(税抜): ¥1,400
特集1:
退院直後から取り組む
筋力低下の予防・改善
高齢者が入院すると活動性の低下などにより、その後、サルコペニアやその予備軍になっているケースが多くあります。サルコペニアは体力・代謝・気力をも低下させ、療養生活に悪影響をもたらします。たとえ退院直後の利用者の医療依存度が低くても安心はできません。訪問看護師には早期に利用者の状態をアセスメントし、多職種と連携しながら支援することが求められます。
本特集では、退院直後に訪問看護師が身体機能・栄養状態・療養環境などをアセスメントし、理学療法士や栄養士といった多職種で利用者にかかわる必要性や、その効果を論じます。また、サルコペニアの原因や現状の診断・治療方法を解説し、訪問看護師による多職種協働でのサルコペニアの予防・改善に向けた事例を報告。さらに、現場で使える身体機能・栄養状態の評価ツールと活用法についても紹介します。
利用者のサルコペニアの予防・改善は、本人の活動性を高めるだけでなく、家族の介護負担や経済的な問題の解決、高齢者が元気なまちづくりの実現にもつながります。サルコペニアの予防・改善に取り組む際の参考にしてください。
特集2:
「むせる」「飲み込めない」「吐き出す」を解決
高齢者の服薬支援
人は加齢とともに、筋肉・神経系の機能や唾液の分泌量が減少し、喉頭も下垂することなどから、飲み込む力が弱くなります。そのため、多くの高齢者が、薬を飲み込めない、喉や胸につかえるといった服薬への困難さを抱えています。正しく服薬できないと、薬効を得られないだけでなく、副作用を生じることもあります。
嚥下機能は、疾患や薬の副作用によっても低下し、高齢者は誤嚥をしてもむせないことがあるため、高齢者の服薬支援では、看護師による広い視点でのアセスメントと、多職種の連携が必要です。
本特集では、嚥下機能のアセスメントや適切な服薬支援の方法、飲み込む力を鍛えるためのリハビリテーションなどについて解説します。また、薬剤師が「むせて薬を飲み込めない」「錠剤を噛んでしまう」といった服薬での悩みに回答します。
服薬は高齢者にとって、毎日、欠かせない行為です。そのためたとえ少しの改善であっても、療養生活の質は大きく向上することが期待されます。