- A4変 80ページ (判型/ページ数)
- 2021年07月発行
- 978-4-8180-2319-2
本体価格(税抜): ¥1,400
終末期は、病気の進行や老衰などにより活動性・可動性が低下し、褥瘡の発生リスクが高まります。また、この時期に生じる褥瘡の原因は、局所への圧迫・体重減少による骨突出、あるいは関節拘縮や低栄養、失禁による皮膚の脆弱化などであることから治癒が難しい場合があります。そこで訪問看護師は、「悪化しやすく治りにくい」「防ぎきれない」褥瘡があることを認識した上で、治癒をめざすだけではなく、症状緩和を優先したケアも選択肢の1つとしてアセスメントする視点が大切です。
本特集では、終末期における褥瘡の発生要因や褥瘡部位の観察方法のほか、「積極的な治療」から「痛みを和らげる」「悪化させない」ケアへの方針転換をはかる際の考え方・タイミングについて解説。併せて、支援の実際をとおして終末期にある療養者への褥瘡ケアのポイントを示します。関連論考では、利用者・家族の精神的苦痛へのケアのあり方について考えます。
経済大国と言われる日本ですが、高齢者の餓死が相次いでいます。
高齢者の多くは年金で生計を立てており、国民年金の平均支給月額は約5万6000円(令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況)。国民年金のみの人は、これが唯一の収入になります。預貯金がなく、支援を頼める人もいなければ、容易に貧困状態に陥ってしまいます。
また、日本の生活困窮者への支援制度は、そのほとんどが失業への対応です。給付支援制度は、公的年金を除けば、生活保護がその中心だと言えるでしょう。
本特集では、さまざまなデータから高齢者の生活状況を分析し実態を明らかにした上で、活用できる制度を紹介します。高齢者の医療上の課題が、安定した暮らしの実現によって解決されることも少なくありません。訪問看護師にできること・求められていることについて考察します。