- 坂井志織 著
- A5 264ページ (判型/ページ数)
- 2019年06月発行
- 978-4-8180-2193-8
本体価格(税抜): ¥3,000
難治性のしびれをもつ患者の「生きる経験」に現象学的な記述で迫る。
中枢神経や末梢神経の障害などによって引き起こされる「しびれ」の症状は、他者からの理解が得にくいことから患者の孤独と苦悩が大きく、ケアする者も対応に難渋する。著者はそうした「しびれ」のあり様をとらえるため、患者の身体経験に着目し彼らの言動や振る舞いを詳細に記述することで、看護師と共有された経験としての意味づけを丹念に行った。本書を通して、病んだ身体」をもつさまざまな当事者とその家族、医療者がそれぞれに抱える困難性を「主観/客観」という二項対立を超えることで克服しようとする現象学的態度の臨床的意義を明らかにする試み。