- A4変 80ページ (判型/ページ数)
- 2021年04月発行
- 978-4-8180-2315-4
本体価格(税抜): ¥1,400
「治す医療」から「治し支える医療」への転換が求められる今、在宅で療養する人の治療と暮らしを支えるために、訪問看護師と外来看護師との連携が重要です。両者が情報を共有することで、利用者は安心して受診・在宅療養ができ、また入院したとしても退院後、スムーズに在宅へと移行することができます。
しかし実際には、訪問看護師と外来看護師は十分に連携ができているとは言い難い状況です。訪問看護師は、外来通院中の利用者の情報を得るためにはどの部署に連絡すればよいかがわからない、一方、外来看護師は、患者の入院前の状況を把握できない・認知機能低下により意思決定が困難で対応が難しいといった課題が挙げられています。
本特集では、訪問看護師・外来看護師のそれぞれの視点から、日ごろの情報共有の手段・連携システムのあり方について考察するとともに、がん・心不全・精神の事例をとおして連携のポイントや留意点を紹介します。
病院と在宅をつなぐためには、訪問看護師から外来看護師への積極的な働きかけが重要です。
特集2:
精神科訪問看護における頻繁・長時間の電話対応
精神科訪問看護の利用者の中には、頻繁に電話をかけてくる人や、電話で長時間話し続ける人がいます。電話にかかりきりになってしまうと、訪問看護に支障を来します。対応方法によっては、利用者との関係性がこじれることもあるため、支援のあり方に苦慮している訪問看護師も少なくありません。
こうしたケースでは、まず利用者が過剰な電話対応を求める要因を分析することが重要です。その上で、利用者の自己対処能力の獲得に向けた支援を行うことで、結果的に電話回数(または時間)が少しずつ減少していきます。
本特集では、電話をしないではいられない利用者の心理状態について解説するとともに、自己対処能力を高める支援方法の実際を紹介します。