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看護管理実践Guideビギナーズ

看護主任マネジメント入門

新任主任のマインドセットと「困った場面」の切り抜け方

  • 別府千恵 編著
  • A5 192ページ (判型/ページ数)
  • 2024年08月発行
  • 978-4-8180-2779-4
本体価格(税抜): ¥2,500
定価(税込): ¥2,750
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主任1年目のリアルな困りごとに スゴ腕の先輩マネジャーたちが「理論」と「経験」からアドバイス! 「主任って何をする人?」と思った時に読みたいガイドブック!

管理者として第一歩を踏み出した看護主任。
でも「主任って何をすればいいの?」「研修だってきちんと受けていないし…」という声が聞こえてきそうです。

本書では、主任になったばかりの4人のナースから寄せられた困りごとに、ベテランマネジャーたちが解決のヒントを示します。
実は「主任時代がいちばん楽しかった!」という管理者は多いとか。
明日からのマネジメント指針として活かせる経験知や理論が満載!


Chapter1「次の主任はあなたです」と言われたら

1 主任になるのは大変?
マインドセットとは/看護管理者に対するイメージ/女性が昇任することの困難さ/中堅看護師の陥りやすいキャリアプラトー

2 はじめから完璧を目指さない
あなたのリーダーシップは見られていた/主任になっていく/私が主任だった頃/一皮むけた経験

3 管理業務を恐れない
マインドセットをしなやかにする/部下をもつということ

4 影響力はどこからくるか
影響力を行使することの意味/公的権限/信頼関係で得る権限

Chapter2 よくある「困った場面」こう考えるとうまくいく

◇Case1 看護師と看護補助者との協働
 Advice1 互いの業務を理解し思いやりをもつことで 「協働機能」を高める
 Advice2 共通の「目的」に向かって 双方が自発的に自らの役割を果たすために

◇Case2 書類の渡し間違い
 Advice1 ルールに基づく迅速な「一次対応」と 組織全体で取り組む「二次対応」
 Advice2 管理者の「権限」「能力」「行動」を認識し コンピテンシーを意図的に発揮する

◇Case3 外部イベントへの参加
 Advice1 マネジメントの視点を学びながら 日々の出来事に目を向け、変革を起こす
 Advice2 指揮命令系統を把握し、目標を咀嚼したうえで スタッフには自分自身の言葉で伝える

◇Case4 手順書の見直し
 Advice1 立場によって視点が違うことを踏まえて 「問題」と「課題」を見極める
 Advice2 チーム活動を通じてスタッフの成長を促すために レディネスに応じた指導とサポートを

◇Case5 研修レポート作成のフォロー
 Advice1 自身の「看護観」をもって日々の看護を行えるよう 2年目以降のスタッフもサポートし続ける
 Advice2 研修から学びを拡張させるには 本人による「言語化」と「リフレクション」が欠かせない

◇Case6 ベッドコントロール
 Advice1 患者にとって望ましい療養環境を多角的に検討し 他部署と交渉できるスキルを身につける
 Advice2 患者の利益を守るスタンスでマネジメントを行い 部署全体の倫理性を高める

◇Case7 ベテラン看護師への介入
 Advice1 対話を重ね、定期的にフィードバックを行うことで 本人とスタッフの両者を守る
 Advice2 意思決定プロセスに参加させ、「情報・資源・機会」を提供することでエンパワーメントし続ける

◇Case8 労務管理の課題への取り組み
 Advice1 「緊急ではないが重要な仕事」を日々の業務に取り入れ、現場を改善するのが主任のマネジメント
 Advice2 目的に向けた当事者間のディスカッションで 合意形成、意思決定、行動変容をねらう 

◇Case9 スタッフへの依頼・情報提供
 Advice1 「サーバントリーダーシップ」の理念に沿って 3つの行動を振り返ってみる
 Advice2 「X理論・Y理論」を意識しつつ、与えられた仕事を スタッフが自分事と思えるようにサポートする

◇Case10 主任の言動への誤解
 Advice1 スタッフに与える影響が大きいことを念頭に 管理者らしい言葉遣いや現場への配慮を習慣化する
 Advice2 主任という新たな役割を獲得するために必要な 「関係性の変化」「知識」「行動変容」

◇Case11 医師と看護師の意見の対立
 Advice1 「コミュニケーションプロセス」や「意思疎通の方法」の改善を冷静に検討する
 Advice2 職種ごとの行動特性・価値・倫理観を認識し 生産的活動につながるように橋渡しをする

◇Case12 インシデント発生時の対応
 Advice1 ICを行う患者に対しては冷静かつ真摯な対応を 当事者のスタッフへの介入は時期を逃さず行う
 Advice2 主任としての成長に向けて、「視野の変化」と 「経験から学ぶこと」を意識する

◇Case13 看護提供体制の変更
 Advice1 病棟が目指す看護とその方法論を全体で共有し スタッフも巻き込んで新しい体制を構築する
 Advice2 現場に踏み込める強みを活かして 変革によって成し遂げたいビジョンを共有する

◇Case14 スタッフのモチベーション管理
 Advice1 「内発的動機づけ」につながるように 寄り添い、共感し、一緒に悩む
 Advice2 「職務特性モデル」を意識して ワークモチベーションや職務満足感を高める

◇Case15 ベテラン看護師の働き方
 Advice1 スタッフが「生涯学び続けること」に意義や責務を見出し ポジティブなモチベーションをもてるよう支援する
 Advice2 看護の実践知を明確にし、やりがいにつなげるとともに 組織の中で求められる役割期待に応えてもらう

◇Case16 病棟内の教育
 Advice1 「思考発話」を取り入れて指導側のハードルを下げ スタッフの成長の結果に目を向ける
 Advice2 部署の目標に応じた教育のビジョンをもって 全員でスタッフ教育にかかわる仕組みをつくる

Chapter3 新しく主任となる皆さんに伝えたいこと

1 主任としての自分を受け入れるまでの波
学びながら主任として成長していく

2 他職種との関係性における変化の波
主任にとって、医師は敵?/他職種が負う職務と責任を理解する

3 部署のスタッフとの関係性における変化の波
立ち位置が変わることで避けられないこと/組織の目標を踏まえた人材育成/スタッフのニーズを把握して動機づける/フェアな姿勢でスタッフにかかわる/スタッフの成長を願ってフィードバックする

4 師長との関係性における変化の波
対話によって合意形成を図り、ともに組織を導いていく

5 自己効力感の低下の波
自己開示によって周囲からサポートを得る

6 新任主任としての混乱を乗り越えた先に見えるもの
自分のルールに則って、責任と誇りをもって行動する


はじめに

 この本を手に取ったあなたは、看護主任になったばかり、もしくは次の主任だと言われて、不安に慄いていらっしゃる方ではありませんか? そして、主任に指名されたときには、看護管理はもちろん、リーダーシップ教育さえも受けた覚えがない、と思っている方も多いのではないでしょうか?

 ここで、看護実践と看護管理について少し考えてみましょう。
 看護の実践では、1対1で患者のケアを行うことを重要視して、学生時代から指導・教育されます。しかし臨床では、夜間ともなればひとりで十数人をケアしなくてはならず、1対1で患者に向き合うことは、なかなか叶いません。それが「じっくり患者さんの看護をしたい」という看護師のフラストレーションにつながっているように思います。

 また、わが国の看護基礎教育における看護管理教育は十分とはいえません。加えて、実践の場に出ても、「看護管理は師長が行うもので、自分には関係ない」と考えている看護師が多いのも事実です。

 しかし、本当にそうなのでしょうか?
 看護師の仕事では、1対1の看護だけでなく、集団(患者集団と看護師集団)を対象とした看護管理の考え方が、実は、新人のときから重要なのです。

  ナイチンゲールは『Notes on Nursing』の第Ⅲ章「Petty Management(ちょっとした管理)」の中で、「あなたがその場にいるときにあなたがすることが、あなたがその場にいないときにもなされるようにするためにはどのように管理すべきか」を知らないならば、結果は台無しになったり、逆効果になったりすると述べています。

  ある看護師があらゆる犠牲を払って看護に打ち込んだとしても、ちょっとした管理が欠けていれば、「自分自身を拡大する技術」をもっている別の看護師に比べて、十分な看護が行えないということです。
 看護管理の能力を高めることは、間違いなく目の前の患者のためになるのです。

 他の病院の看護部長たちと話をしているときに「優秀な人なのだけど、勧めても管理者になりたがらない」という話をよく聞きます。また、私が主任や師長の方たちを前に講義をするときに「この中で、管理者になりたかった人、手を挙げてください」と声をかけても、パラパラと2~3人の手が挙がるだけです。

 皆さん、管理者にはなりたくなかったんだなと思うと、残念でなりません。なぜなら、看護管理者、特に主任は面白くて仕方がない仕事だからです。

 とは言っても、主任昇任という現実を前にして、「主任になったけど何をすればいいの?」「やってみたけど、問題山積で手に負えない」と悩んでいらっしゃる方がほとんどでしょう。

 そういうあなたに、この本はぴったりです。初めて管理を行う主任が日常的に遭遇する課題を取り上げ、どのように向き合ったらよいのかという疑問に答えているからです。

 また、本書の特徴は、リアルにこだわったことです。新任主任の1年間に焦点を当てて、2023年4月に昇任した主任の方から、春夏秋冬の各時期に困ったことを収集するという手法をとりました。Chapter2では、そんなリアルな困りごとと場面を示し、各事例に対して、ベテランの看護管理者が的確なアドバイスをしています。

 しかし、ただの How to 本ではありません。Chapter1では、マネジメントの考え方や主任の心構え、Chapter3では、新任主任に訪れる変化をまとめてあるので、皆さんの困りごとにフィットするだけではなく、今後の管理者としてのあり方の指針となる部分が見つかるでしょう。

 本書が、皆さんの看護管理者としての第一歩を支えるものになることを願っております。

 2024年7月 別府千恵

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